動画・映像制作用語
【三分割構図-二分割構図】
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sanbunnkatsu
三分割構図と二分割構図は、写真や映像の構図を決定する上で最も基本的な手法の一つです。画面を縦横それぞれ3つ(三分割構図)または2つ(二分割構図)に分割し、その交点や線上に被写体を配置することで、安定感があり、かつ視覚的にバランスの取れた構図を作ることができます。
どういう役割があるのか
視覚的な安定感: 人間の目は、自然と画面を3分割したり、2分割したりして見ています。そのため、これらの構図に沿って被写体を配置すると、自然で安定感のある印象を与えることができます。
視線の誘導: 交点や線上に被写体を配置することで、視聴者の視線を自然とそこへ誘導することができます。
構図の多様性: 縦構図、横構図、斜め構図など、様々な構図に対応できます。
具体的な配置方法
黄金比: 三分割構図は、黄金比と呼ばれる美しい比率に基づいています。黄金比は、自然界にも見られる美しい比率で、視覚的に安定感を与えます。
ルールオブサーズ: 三分割構図のことを、ルールオブサーズとも呼びます。
9マスに分割: 画面を縦横3等分し、9つのマスに分割します。被写体を4つの交点のいずれかに配置したり、線上に配置したりすることで、バランスの取れた構図を作ることができます。
様々なジャンルの映像で活用
風景写真: 広大な風景を撮影する際に、地平線を下のラインに、天気を上のラインに配置することで、安定感のある構図を作ることができます。
人物写真: 人物の顔を中心に、目を上のラインに配置することで、魅力的なポートレートを撮影できます。
商品撮影: 商品を画面の中央ではなく、少しずらして配置することで、より自然な印象を与えることができます。
その他のポイント
例外: 必ずしも三分割構図や二分割構図に従う必要はありません。あえてルールを破ることで、個性的な構図を作ることができます。
他の要素との組み合わせ: 構図だけでなく、色、光、影、動きなど、他の要素と組み合わせることで、より複雑で豊かな表現が可能になります。
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【関連用語】
1. 黄金比
画面を約1:1.618の比率で分割する構図法です。三分割構図よりもさらに洗練された比率とされ、古くから芸術作品で用いられてきました。被写体をこの分割線上や交点に配置することで、自然で美しいバランスを実現できます。特に風景写真や建築物の撮影で効果を発揮し、人間の目が最も心地よく感じる構図の一つとされています。デジタルカメラやビデオカメラの中には、黄金比のガイドラインを表示できる機能を搭載しているものもあります。
2. アイライン
人物の視線の高さやその方向性を考慮した構図法です。三分割構図と組み合わせて使用されることが多く、被写体の視線の先に適切な余白(アイルーム)を設けることで、画面に方向性と奥行きを持たせます。特に人物を撮影する際に重要で、視線の方向に余白を設けることで、その人物の表情や心理をより効果的に表現できます。複数の人物が登場するシーンでは、視線の交わり方にも注意を払う必要があります。
3. センターフレーミング
被写体を画面の中央に配置する構図法です。二分割・三分割構図とは異なるアプローチですが、特定の効果を狙う場合に使用されます。例えば、被写体の重要性や威厳を強調したい場合や、完全な対称性を表現したい場合に効果的です。ウェス・アンダーソン監督の作品のように、意図的にセンターフレーミングを多用することで、独特の視覚スタイルを確立している例もあります。
4. リーディングライン
視線を誘導する線的要素を利用した構図法です。道路、川、線路などの直線的な要素や、曲線的な要素を使って、観者の目を特定の方向に導きます。三分割構図と組み合わせることで、より効果的な視覚的ナラティブを構築できます。これらの線は、実際の物理的な線だけでなく、光や影、色の配置によっても作り出すことができます。
5. ダイナミックシンメトリー
より複雑な幾何学的構図法です。画面を対角線や三角形で分割し、その交点や線上に被写体を配置します。三分割構図を基本としながら、より動的で緊張感のある構図を作り出すことができます。特に、動きのあるシーンや劇的な効果を狙う場合に有効です。また、複数の被写体の関係性を視覚的に表現する際にも活用されます。デジタル時代になり、これらの複雑な構図を即座に確認できるようになったことで、より積極的に活用されるようになっています。