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動画・映像制作用語

【シーケンス】

S

sequence

シーケンス(Sequence)とは、映像編集において複数のショット(映像素材)を時系列に並べて構成した一連のまとまりのことです。映像編集における作業の自由度と管理のしやすさを両立させる重要な概念です。

シーケンスは、映像編集ソフトにおける「組み立ての場」あるいは「作業台」のような概念です。


編集ソフトでは、撮影された素材(クリップ)を並べて一本の映像作品を作り上げていきますが、その作業を行う空間がシーケンスです。例えば、30分の番組を作る際、オープニング、本編パート1、本編パート2、エンディングといった具合に、内容ごとに別々のシーケンスを作って編集を進めることができます。


シーケンスの特徴的な点は、そこで組み立てた映像を、さらに大きなシーケンスの中の一つの素材として使えることです。つまり、パーツとして作ったものを組み合わせて、より大きな作品を構築できるのです。この入れ子構造により、複雑な編集作業を整理して進めることができます。


また、同じ素材を使って異なる尺や構成の作品を作る場合も、別々のシーケンスで作業することで、元の編集を保持したまま新しいバージョンを作ることができます。このように、シーケンスは映像編集における作業の自由度と管理のしやすさを両立させる重要な概念となっています。



基本的なこと

  • 編集作業の基本単位

  • 複数の映像・音声素材を時系列で配置

  • 独立して再生・編集が可能

  • 他のシーケンスと組み合わせ可能


使われ方の例

  • 1つのシーンをシーケンスとして作成

  • オープニングをひとつのシーケンスに

  • CMをひとつのシーケンスとして制作

  • 特殊効果のパートを別シーケンスで作成


シーケンスを使うメリットは、大きな作品を管理しやすい単位に分けられることと、複数の編集者が同時に異なるパートを作業できることです。また、同じ素材を使って異なるバージョンを作ることも容易になります。


シーケンス

​【関連用語】

1. モンタージュ(Montage)


映像を複数のショットやシーンを組み合わせて、新しい意味や印象を作り出す編集技法です。例えば、主人公の成長を表現する際に、トレーニングシーンや失敗、成功の様子を短いカットで次々と見せることで、時間の経過と成長過程を効果的に伝えることができます。ソビエト映画の巨匠エイゼンシュテインによって理論化された手法で、現代でも映画やテレビで頻繁に使用されています。視聴者の感情を効果的に操作できる手法として、特に心理的な変化や時間の経過を表現する際に重宝されます。



2. ストーリーボード(Storyboard)


映像作品の各シーンやショットを絵コンテとして視覚化したものです。カメラアングル、構図、動き、セリフ、効果音などの情報が含まれ、実際の撮影前に作品の全体像を把握するために使用されます。これにより、制作チーム全員が同じビジョンを共有でき、撮影時の手戻りを防ぐことができます。アニメーション制作では特に重要で、作品の質を大きく左右する重要な工程となっています。



3. マスターショット(Master Shot)


シーン全体を一つの長いショットで撮影したものを指します。通常、シーンの最初に撮影され、登場人物や場所の位置関係を確立する役割があります。編集時には、このマスターショットを基準に他のショット(クローズアップやミディアムショットなど)を組み合わせていきます。撮影現場での安全策としても機能し、細かいショットの撮影に問題があった場合のバックアップとしても使えます。



4. カットアウェイ(Cutaway)


メインのアクションから一時的に別のショットに切り替える編集技法です。例えば、会話シーンの途中で窓の外の景色や時計などを挟むことで、時間経過を示したり、場の雰囲気を伝えたりすることができます。また、編集時にショートの繋ぎを自然にする目的でも使用されます。視聴者の注意を一時的に別の要素に向けることで、物語に深みを持たせる効果もあります。



5. エスタブリッシング・ショット(Establishing Shot)


シーンの冒頭で使用される広角のショットで、場所や状況を視聴者に伝える役割があります。例えば、都会のビル群や田舎の風景など、これから展開されるシーンの舞台を示します。時間帯や季節、天候なども同時に伝えることができ、物語の文脈を視覚的に確立する重要な役割を果たします。シーケンスの始まりを印象的に演出する手法として、多くの作品で使用されています。

 

 

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