動画・映像制作用語
【白マザー-白完パケ-白素材】
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白マザーや白完パケ、白素材とは、映像制作の現場でよく使われる用語で、テロップや字幕などの文字情報が一切入っていない状態の完成された映像のことを指します。
なぜ「白」と呼ぶの?
何もない状態: テロップなどの文字情報が何もない、いわば「白紙の状態」であることから、「白」という表現が使われます。
純粋な映像: 文字情報がないため、映像そのもののクオリティを評価しやすいという側面もあります。
白マザー、白素材の用途
テロップ挿入の自由度: 後から自由にテロップや字幕を挿入することができます。異なる言語版を作成する場合
放送局や配信プラットフォームの規定に合わせてテロップを変更する場合
再編集の容易さ: テロップが入っていないため、再編集がしやすく、様々な用途に活用できます。
認識合わせに注意
実際の制作現場では白マザーを完成させてからテロップを入れるとは限らず、完パケになるまでの過程で白マザーは作成しないことが多くあります。場合によっては白マザーを書き出すことが技術的に困難な編集をしている場合があります。
実際には「白マザーをください」と要請を受けると、再度編集プロジェクトを広げ、テロップなどのレイヤーを除いて書き出すという再編集作業をします。
この際に省くのが
・スーパーだけ取り除く
・音声も取り除く
・生音を残す/音楽だけ残す/効果音だけ残す・・・
など、さまざまな解釈がありますので、必ず詳細な申し合わせをすることをお勧めします。
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【関連用語】
1. EDLマッチバック (EDL Matchback)
編集結果を示すEDL(Edit Decision List)を元に、白素材(オリジナル素材)から高品質な映像を再構成する作業を指します。オフライン編集で作成された編集情報を基に、オンライン編集システムで白素材を呼び出し、カット点やトランジションを正確に再現します。この過程では、タイムコードや管理番号を照合しながら、素材の取り違えや欠落がないよう慎重に作業を進めます。特に長尺作品では、大量の素材を正確にマッチバックする必要があり、系統的な素材管理と確認作業が重要です。最近のノンリニア編集システムでは、プロジェクトファイルを使用した自動マッチバック機能も一般的になっています。
2. マスターメディア (Master Media)
放送用や配給用の完成品を記録する高品質な記録メディアを指します。白マザーから作成される最終的なマスターコンテンツを保存するために使用され、長期保存に耐える信頼性と品質が求められます。デジタルベータカムやHDCAMなどのテープメディア、あるいは最近では大容量HDDやSSDなどのファイルベースメディアが使用されます。また、複数のフォーマットやバージョン(国際版、DVD版など)に対応するため、それぞれ個別のマスターメディアを作成・管理することも一般的です。アーカイブ目的での保管も考慮し、適切な環境下での保管が必要です。