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動画・映像制作用語

【テレシネ】

T

telecine

「テレシネ」とは、その名の通り、シネマをテレビにしたものです。なんだか逆のような気もしますが。シネテレでは語呂が悪かったのかな!?

35mmや16mmなどの映画フィルムをビデオ信号に変換するには、単純に言えば映写機で上映して、投影されたスクリーンをテレビ(ビデオ)カメラで撮影するだけでもできますが、御承知のとおりフィルムは秒間24コマで、ビデオは通常30(29.97)フレームですので、このままではフリッカーが出てしまいます。そこで、テレシネ装置では24コマの1コマを3フィールドに分割、次の1コマを2フィールド、また次のコマは3フィールド、次は2フィールドというように分割して、秒間を60(59.94)フィールド=30(29.97)フレーム=1秒になるように変換しています。つまり水増しするのです。この方式はプルダウンと言うそうです。



IMAGICAのムービートーン


1980年代のハイビジョン黎明期には、まだ映像のデジタル技術が産声を上げた頃であったため、アナログのハイビジョンカメラ、ハイビジョン録画機はあったものの、中継車のような車に乗ってくるような大掛かりなものでした。しかも1日稼働すると100万円。編集は国内に数カ所しかない有様でした。テレビCMのような高品位な画質を要する制作には機動性が悪く、しかもカメラの感度も低く使いにくいものでした。


この頃、主流だったのが35mmムービーカメラで撮ったフィルムを、イマジカ社のムービートーンという装置でテレシネして、ビデオ信号に置き換えてから、光学編集ではできない自在な編集をするという作り方です。当時のテレビ放送はSD(720×480 / 29.97i)の時代ですから、ビデオカメラで撮った映像とはあからさまにトーンが違い、高品位な印象を与えるものでした。ムービートーンの作業は、カメラマンやディレクターが立ち合い、色味の調整をこの段階で行いました。今でいうグレーディングですね。

この時代を知る者にとっては、「シネマティック」とはまさにこのことだったのです。


イマジカ社のムービートーンは同社の商標で、一般にはF to Tあるいは「エフティ」と呼んで、高予算の仕事では必ずこの方法が採用されていました。しかし、その後ハイビジョンの使い勝手と、感度が格段に上昇し、さらにデジタル化によって、ハイビジョン編集作業の著しい効率化、低価格化が起こったのが2010年頃以降のことです。

テレシネ

​【関連用語】

1. キネコ


テレシネの逆で、テレビやビデオの映像をフィルムに変換する作業、またはその装置を指します。正式には「キネスコープ・レコーダ」と呼ばれ、「キネレコ」とも呼ばれます。



2. 逆テレシネ


テレシネのプルダウン方式によって30iに変換された映像信号を24iに戻すことを言います。

 

 

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