動画・映像制作用語
【ボイスオーバー】
V
voiceover
ボイスオーバーは、映像作品において画面に映る人物や物とは異なる人物が、まるでその場にいるかのように、自分の声で何かを語る表現手法です。日本語では「ナレーション」と呼ばれることもありますが、ボイスオーバーはより広義で、様々な場面で使用されます。
特徴
画面に映らない人物の声: 視聴者は、声の主を直接画面で見ることができません。
背景説明や感情表現: 映像だけでは伝えきれない情報を補足したり、キャラクターの心情を表現したりします。
ドキュメンタリーやナレーションでよく使用: ニュースやドキュメンタリー番組で、解説やコメントをボイスオーバーで伝えることが多いです。
ボイスオーバーの種類
ナレーション: ドキュメンタリーや解説番組などで、映像の内容を説明する。
キャラクターの独白: アニメやドラマで、キャラクターが心の内を独白する。
物語の語り手: 童話やファンタジー作品で、物語全体を語りかける。
ボイスオーバーと吹き替えの違い
吹き替え: 海外ドラマや映画で、元の言語のセリフを日本語に置き換える。
ボイスオーバー: 原語の音声を残しつつ、別の言語で情報を加える。
ボイスオーバーの目的
視聴者の理解を助ける: 映像だけでは分かりにくい部分を、音声で補うことができる。
臨場感を高める: 映像と音声の組み合わせにより、よりリアルな体験を提供できる。
表現の幅を広げる: 映像だけでは表現できないニュアンスや感情を伝えることができる。
例
ニュース: ニュース映像に、キャスターの声で解説が加わる。
ドキュメンタリー: 歴史的な出来事や自然現象を、専門家の声で解説する。
アニメ: キャラクターの心の声や、物語の背景を説明する。
【関連用語】
1. アフレコ
アフレコとは、映像作品において、映像に合わせて後から音声を録音する作業のことを指し、「アテレコ」もアフレコに含まれます。アニメ、ドラマ、映画など、様々な映像作品で利用されており、例えば、アニメーションであれば、完成した絵に声優が声を当てていくことで、キャラクターに命が吹き込まれます。ドラマや映画では、撮影時に収録できなかったセリフや、後から変更になったセリフなどを、スタジオで改めて録音します。
2. アテレコ
アフレコの中でも、特に既存のキャラクターや登場人物など「自分以外」の動きに対して、声を当てていく手法です。「当てる」という日本語が語源となっているこの技術は、様々な場面で活用されています。最も一般的な例が、海外映画やドラマの吹き替えです。原語の音声を別の言語に置き換える際、俳優の口の動きに合わせながら、自然な会話の流れを保つ必要があります。また、特撮作品におけるスーツアクターの演技に声を付ける場合や、動物の動きに人間の声を当てる場合なども、アテレコの一例です。ゲームやアニメーションのキャラクターに声を付ける作業も、広義のアテレコに含まれます。アテレコの特徴は、すでに存在する動きや表現に対して、声優が適切な演技を付け加えていくという点です。この過程では、オリジナルの演技や表現を理解し、それを損なわないように配慮しながら、新たな解釈や魅力を加えていく高度な技術が必要とされます。
3. プレスコ
アフレコとは逆の手順で制作を行う手法です。まず音声を収録し、その後でそれに合わせて映像を制作していきます。この方法は、特に海外のアニメーション制作で主流となっています。プレスコの大きな利点は、声優が自由に演技できることです。映像に縛られることなく、感情の起伏や間の取り方を自然に表現できるため、より生き生きとした演技が可能になります。また、音声が先にあることで、アニメーターは声の抑揚やリズムに合わせて、より細かい表情やモーションをつけることができます。日本のアニメ制作現場では、通常はアフレコが主流ですが、スケジュールの都合で映像が間に合わない場合などに、プレスコが採用されることもあります。この手法は、より自然な演技を実現できる一方で、後から映像を合わせる必要があるため、アニメーション制作により多くの時間と労力が必要となる特徴があります。
4. 吹き替え
吹き替えとは、主に海外の映画やドラマなど、外国語で制作された映像作品において、元の言語のセリフを、別の言語(日本語など)に置き換えて音声部分をすべて入れ替える作業、あるいはそうしてできた版のことです。