動画・映像制作用語
【ウォーターマーク(透かし)】
W
watermark
「ウォーターマーク」とは、画像、動画、音声、文書などのデジタルコンテンツに、所有権や著作権などの情報を表示するために埋め込まれる透かしのことです。
ウォーターマークの種類
可視的なウォーターマーク
ロゴやテキストなど、目に見える形で埋め込まれるウォーターマークです。テレビ放送番組の画面の隅に常時表示されているテレビ局のマークなどがこれにあたります。オリジナル音源の場合、サウンドロゴのような短い音声を定期的に挿入します。
不可視的なウォーターマーク
データに埋め込まれ、肉眼では見えないウォーターマークです。画像や動画であれば画面上には見えませんが、特定の方法で検出ができるものです。オリジナル音源などにも、耳に聞こえない音声を付加することができます(オーディオウォーターマーク)。
ウォーターマークの目的
著作権保護
コンテンツの無断使用や不正な改ざんを防ぎ、著作権侵害を防ぎ、コンテンツの価値を守ります。可視的なウォーターマークを使えば、明らかな不法使用であることがわかりますので、強い抑止力が期待できます。
データの認証
コンテンツの真偽を検証することができ、コンテンツの信頼性を高めます。盗用防止ではない場合は、不可視的ウォーターマークを使用することでコンテンツの見た目(音源)を毀損せずに付加することができます。
トレーサビリティ
コンテンツの来歴を追跡、流通経路を把握できます。
メタデータとの違い
ウォーターマークは、コンテンツのデータ自体に埋め込まれる透かしのことです。不可視型の場合、特別なソフトウェアでしか検出できません。また原則的に削除、改竄できません。
それに対してメタデータは、デジタルコンテンツの内容や属性を記述する情報です。例えば、画像ファイルのメタデータには、撮影日時、カメラ機種、画像サイズなどが含まれますが、通常、コンテンツデータから分離可能なデータとして付加されます。
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【関連用語】
1. デジタル署名
デジタル署名は、電子文書の作成者がその文書を作成した本人であることを証明する仕組みです。文書の内容が改ざんされていないことも同時に保証します。法的な証拠力を持ちます。
2. ステガノグラフィ
ステガノグラフィは、データを別のデータの中に隠す技術です。画像や音声ファイルの中に、秘密のメッセージを埋め込むことができます。
ステガノグラフィは、情報を隠すことを目的とするのに対し、ウォーターマークは情報を明示的に表示したり、特定のソフトウェアで検出できるようにします。
3. フィンガープリント
フィンガープリントは、デジタルコンテンツの固有な特徴を抽出して、そのコンテンツを一意に識別する技術です。コンテンツの指紋のようなもので、ファイルの比較や、不正コピーの検出に利用されます。
4. デジタルフォレンジック
デジタルフォレンジックは、デジタル証拠を収集・分析し、事件の真相を解明する技術です。削除されたファイルの復元、改ざんされたファイルの検出などを行います。