動画・映像制作用語
【ホワイトバランス】
W
whiteballance
ホワイトバランスは、撮影時の光の色の基準を調整する機能で、自然な色再現に欠かせません。
色温度
光の色は、ケルビン度という単位で表される色温度によって表されます。
太陽光、蛍光灯、白熱灯など、光源によって色温度は異なります。
ホワイトバランスの種類
オートホワイトバランス: カメラが自動で色温度を調整する。
プリセット: デイライト、シャドウ、タングステンなど、一般的な光源に合わせて設定できる。
カスタムホワイトバランス: 白色の基準となるものをカメラに覚えさせ、正確な色温度を設定する。
ホワイトバランスの重要性
自然な色再現: 正確なホワイトバランス設定により、被写体の色が忠実に再現されます。
雰囲気作り: ホワイトバランスを意図的にずらすことで、暖色系や寒色系の雰囲気を出すことができます。
RAW現像
RAW形式で撮影することで、撮影後にホワイトバランスを自由に調整できます。
ホワイトバランスは、撮影後の画像の印象を大きく左右する要素です。撮影環境に合わせて適切なホワイトバランスを設定することで、より美しい写真を作成することができます。
【関連用語】
1. ケルビン(Kelvin)
色温度を表す単位で、現場では「ケルビン合わせて」「5600Kに」などの形で使用されます。太陽光は約5600K、タングステン照明は約3200Kが基準となります。撮影現場では光源の種類によってケルビン数値を調整し、適切な色再現を実現します。デジタルカメラでは、数値を直接設定できる機種が多く、特に複数台のカメラを使用する際は、同じケルビン値に設定することで色調を統一します。LED照明の普及により、可変色温度の光源が増えているため、より細かなケルビン管理が必要になっています。
2. オート(Auto WB)
カメラが自動的にホワイトバランスを調整する機能です。ニュース取材や緊急性の高い撮影では「オートで回して」という指示が一般的です。光条件が頻繁に変化する環境での撮影に適していますが、複数カメラでの撮影時は各カメラで色調が異なる可能性があるため、注意が必要です。特にLEDの普及により、混合光源環境が増えているため、オートホワイトバランスの精度が重要視されています。
3. プリセット(Preset)
カメラに予め設定されているホワイトバランスの基準値です。「太陽光プリセット」「蛍光灯プリセット」などが一般的で、急な撮影開始時に使用されます。現場では「プリセットで」という簡潔な指示で通じます。標準的な光源下での撮影では十分な色再現が可能ですが、特殊な光源や複雑な照明環境では、手動での調整が必要になることがあります。
4. グレーチャート(Gray Chart)
18%標準グレーのカードを使用してホワイトバランスを調整する方法です。「グレーチャート出して」という指示で使用され、特に重要な撮影や複数台カメラでの撮影時に重宝されます。厳密な色管理が必要な場合や、ポストプロダクションでの色調整を見据えた撮影時に使用されます。最近では電子版のグレーチャートアプリなども登場していますが、物理的なグレーチャートの信頼性は依然として高く評価されています。
5. 色かぶり(いろかぶり)
ホワイトバランスが適切に設定されていない状態を指します。「色かぶりしてるよ」という指摘がモニター確認時によく使われます。特に混合光源下での撮影や、光源の色温度が変化する環境で発生しやすい問題です。リアルタイムでの修正が必要な生放送では特に注意が必要で、常にモニターでの確認が欠かせません。LED照明の普及により、従来とは異なる種類の色かぶりが常態化したため、新しい対応が求められています。