動画・映像制作用語
【やおや】
Y
yaoya
手前から奥に向かって高く(傾斜をつけ)被写体を配置することで、カメラから全体が見えるようにすることを「やおや」にする、といいます。
下町の八百屋さんを見ると、道ゆく人の視線から野菜などの商品がよく見えるように、店先から奥に向かって傾斜がついた陳列台になっているのが定番です。この、視点から見て奥に向かって高くすることを「やおやにする」と言います。今は八百屋さんも少なくなり、その店舗様式を知らないので、ピントこない若者も多いかもしれませんね。
カメラから見て手前のものが奥のものを隠していたり、被写体物の上面を見せる必要があるときに「やおや」にします。被写体を載せている床面を傾斜をつけて持ち上げたり、被写体そのものを傾けたりして行います。
効果
奥行き感: 奥行きのある立体的な空間を表現できる。
視覚的な安定感: 下から上に視線が移動するため、安定感のある構図となる。
視覚的な誘導: 視聴者の視線を自然と奥へと導く。
活用例
静物写真: 商品のディスプレイなど
人物写真: グループ写真など
やおやの構図は、シンプルながらも奥行き感や立体感を出せるため、様々なシーンで活用できます。
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【関連用語】
1. 物撮り
商品や小物を静止画で撮影する「物撮り」は、特にECサイトやカタログなど、商品の情報を視覚的に伝える上で重要な役割を果たします。
2. 真俯瞰(トップショット)
商品を真上から見下ろして撮影する構図です。フラットレイフォトとも呼ばれ、特に食品やファッションアイテム、文具などの撮影で多用されます。特徴:
商品の全体像を均等に見せることができる
周辺に小物を配置してストーリー性を持たせやすい
SNSでの訴求力が高い
影の付き方に注意が必要
立体感が出にくいため、テクスチャーの表現が重要
3. 斜め45度アングル
商品を斜め上から撮影する構図で、最も一般的な物撮りアングルの一つです。特徴:
商品の正面性と高さを同時に表現できる
自然な見え方で親しみやすい
奥行きと立体感を表現しやすい
背景のボケを活用しやすい
商品の特徴に応じて角度を微調整可能
4. 正面(アイレベル)
商品と同じ高さから水平に撮影する構図です。特徴:
商品のフロントデザインを強調できる
パッケージの文字情報を明確に伝えられる
威厳や重厚感を演出できる
背景処理が重要になる
商品の高さや奥行きの表現に適している
5. マクロ(接写)構図
商品の細部や質感を接写で撮影する手法です。特徴:
素材感やディテールを強調できる
抽象的で芸術的な表現が可能
商品の品質の高さを表現できる
ピント合わせが繊細
部分を見せることで全体への興味を喚起
6. シンメトリー構図
商品を画面の中心に配置し、左右対称に撮影する手法です。特徴:
安定感と秩序のある印象を与える
高級感や清潔感の演出に適している
商品の形状の美しさを強調できる
構図のバランスが取りやすい
単調になりやすいため、アクセントの配置が重要
7. 並列構図
同じ商品や関連商品を整然と並べて撮影する手法です。特徴:
シリーズ商品のバリエーションを見せやすい
整然とした美しさを表現できる
商品間の比較を容易にする
色の統一感や変化を活かせる
配置のリズム感が重要
7. ランダム構図
商品を意図的にランダムに配置して撮影する手法です。特徴:
自然な雰囲気や日常感を演出できる
カジュアルで親しみやすい印象を与える
創造的な表現が可能
無秩序に見えないよう配置のバランスが重要
商品の重なりや陰影に注意が必要